暗号資産に積極的なモンテネグロも実証実験!リップル社のCBDCプログラムとは?

暗号資産に積極的なモンテネグロも実証実験!リップル社のCBDCプログラムとは?

耳にすることが多くなった仮想通貨ですが、最近話題になっているリップル社の「CBDCプログラム」は一体どんなプログラムなのでしょうか。今回はCBDCプログラムについて調べてみました。

CBDCとは

そもそもCBDCとは何のこと?疑問に思う方も少なくないと思います。CBDCとはCentral Bank Digital Currencyの略で中央銀行デジタル通貨のことを指します。定義として、

  • デジタル化されている
  • 円などの法定通貨建てであること
  • 中央銀行の債務として発行されている

この条件を満たしているものと定義されています。仮想通貨との大きな違いは、上記にも記したとおり法定通貨であることです。通貨管理等において効率性向上などが期待できるものの、プライバシー保護、セキュリティ、金融システムなどへの影響についての課題が多いのが問題になっています。

リップル社のCBDCプラットフォーム

リップル社のCBDCプラットフォームは、XRPL(XRP Ledger)が基盤になっています。各国の中央銀行が利用することを想定しており、安全かつ柔軟にデジタル通貨を発行・管理するソリューションを提供することが目標になっているようです。CBDCのトークン化サポートや決済、分散型金融DeFiなどの実装にも使用できるようになっています。リップル社のCBDCは既存の金融システムに統合できる仕組みになっており、銀行側は暗号化マルチサイン制御を利用してCBDCを発行することが可能で、各国の中央銀行など(発行者)は認証されたアカウントに送金することができます。トランザクションは2〜3秒で完了し、ネットワーク参加者はCBDC上の資金を法定通貨と交換して発行者に返却することも可能とリップル社は説明しています。

2021年には

2021年にはブータン王国の中央銀行「Royal Monetary Authority(RMA)」と試験運用を行うことを発表しており、このテストは、ブータンの決済インフラにリップル社の台帳「CBDC Private Ledger」を導入し、企業や個人が利用する「リテール決済」、銀行間の決済「ホールセール決済」、国際送金の実験を行うとされていました。

2023年1月には

ヨーロッパの国モンテネグロのドリタン・アバゾビッチ首相は、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOとジェームズ・ウォリス氏と会談し、同国のデジタル通貨あるいはステーブルコインを構築する実証実験プロジェクトを開始したと述べ、「私たちは、金融アクセスを拡大し金融包摂を提供する決済インフラの開発について議論した。モンテネグロは、新しい価値と投資に対してオープンである。」と説明しました。モンテネグロは、ユーロを通貨として使用しています。同国はEU加盟国入りを目指して、加盟の交渉を続けており、もし加盟国入りを果たし、欧州中央銀行がデジタルユーロを導入すれば、デジタルユーロが採用されることになる可能性が高くなります。現状は加盟できるかは不明のため、これから実証実験を始めるデジタル通貨がどのような資産と結びつくか詳細は明かされていないとされています。

2023年4月11日の発表では

パイロット版では中央銀行によるステーブルコインの実用性を確認し、その流通をシミュレートするための仕組みを作ると発表されました。今回のプロジェクトでは「電子決済手段の利用可能性、セキュリティ、効率性、規制への準拠、そして最も重要なエンドユーザーの権利とプライバシーの保護に関して、CBDCまたは国家によるステーブルコインがもたらしうる利点とリスクを分析する」とモンテネグロ中央銀行は声明で述べています。これまでに100カ国以上がCBDCの開発を検討しており一部ではすでに実用段階に入っていると言われています。

まとめ

もうすでに100カ国以上がCBDCの開発を検討して一部が実用段階に入っている状況で、日本でも2023年2月17日に日本銀行から中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する実証実験を実施すると発表されています。4月からはパイロット実験も実施される予定で、パイロット実験では、中央システム、仲介機関ネットワーク、仲介機関システム、エンドポイントデバイスまでを一体的に実装する実験用システムを構築するようです。最新の技術だからこそ日本もしっかりとついていって世界に置いていかれないよう頑張ってもらいたいですね。